僕たち30代後半の世代はバブルを経験していて、小さいころ社長業に憧れていました。お金を儲けることに執着があり、若いころから借金してまで、お金お金の人生を歩んできたんですね。ただそこで、お金がなくなったときに人がいなくなるということを経験しました。会社が息詰まったときに、たまたま出会った職人さんに自分の素直な気持ちをぶつけたんですよね。
お金がなくなったときに感じた優しさやアドバイスに、こんな自分でも、孤独な自分でも声をかけてくれる人がいるんだなぁって、自分の親に見えました。お父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんの言葉に響かされたんですね。 でもそのアドバイスをもらったその人たちも実はとても苦労していて、本業である伝統技術の人たちも格好つけてても中身はとても大変で、次の世代にどう伝えていくかということに悩んでいました。僕はその人たちに恩を返したいと思い、職人さんは若い僕たちに伝えていってほしいということが合致しました。 その手段としてつながった職人さんが何人も集まってきたときに答えがでたんです。伝統であったり生き方であったり商品であったり。その人たち生き様を含めていいものが作れるんじゃないかと思ったときにジーンズ、デニムだったんですね。その人たちにもアドバイスをもらってアイテムをひとつ作ってみようと思ったのがきっかけです。 だから僕はお金を持っててデザイナーを雇ってというデニム業界に何十年もいる人ではありません。普通に考えてここに「漆」はしないだろとか「花札」はしないだろといわれることもあります。しかし僕らはひとつのアイテムで職人みんなで手をつないでいこうというのがコンセプト。デニムが最初のステップで、いろんな人たち全国にいるたくさんの職人を見つけていく。そして日本人が誇れるものを伝えていくというのが和風人です。 どういうお客様に買ってもらいたいですか? ひとつは日本はとてもいいよっていうこと。ちゃんと歴史があって後世に残るものなんだよっていうこと。誇りに思ってほしいんです。ひとつのアイテムも物凄い手作業で物凄い思いで作られていると。 だからこそ若い人たちだったりとか色んな人たちに感じてほしい。もうひとつは、これをもし身にまとったとき、自分の下の世代が見ているということを学んでほしいんだよね。思っててほしいんだよね。 たとえば20代の人たちがこれを買ったときに、10代の人たちはかっこいい人たちの生き様を追っていきます。僕はこのアイテムでお客さんたちをオンリーワンにしたいというか、自分をどう表現していいかわからない人たちに僕らの匠の技でスタイリストしたいっていうか、おとなしい子もこれをはくことで胸を晴れるようなそんなアイテムになればいいなぁと思います。 あとは子供たちです。これから日本の社会を担ってくれる子供たちが上の世代に学びを問える、夢が実現できるような、色んな意味で世代をつないでいくひとつのアイテムになれればと思います。
日本の伝統を感じてもらいそれをつなぐひとつの手段としてデニムを作ったというのが目的。デニムの素材はもちろんのこと、人にこだわっていきたいと思っています。お客様が満足するものをひとつでも多く叶えたいと思っているので、デニムブランドを作ったというのはファーストステージです。 日本のいい人たちと手をつなぎ、そこで甘んじることなく世界にもまだいい人たちはたくさんいて、共感してくれる人がいます。グローバル化にこの商品を含め貢献できればと思っています。ですので究極を言えば、日本対アメリカ、日本対イタリアじゃなくて、日本とアメリカ、日本とイタリアで何ができるかを考えてもいいんじゃないかって思います。その土地で大事にしているものを違う土地の人と一緒に何かを共有し、ひとつを作っていくっていう。そういう物語にしていければと思います。 日本はほかの国と違って資源がない小さい国なので、だからこそ争いをするんじゃなくて「手をつなぐ」こと。素直に「あなたが必要だから手を貸してくれ」っていえたら簡単に何でも解決すると思いますね。 これからの展望をお願いいたします。 和風人が成功したら、子供を教育する事業をやっていきたいですね。上の世代と下の世代がこういうアイテムを通じて、お互いに学べて、尊敬し合える機会を提供していきたいですね。老人ホームが隣りにあってその中に託児所もあって子供たちとおじいちゃんたちがつながるアイテムとして和風人があってもいいと思いますし。 和風人というのは、昔の思っている気持ちであるとか、昔からある忘れちゃいけないものをこれからの人たちにつないでほしいひとつのアイテムとしてみてもらえれば嬉しいですね。 「和風人」て和風の人って言葉で書くけど僕は日本人って言いたかっただけなんですね。ストレートすぎるから引かれちゃうところがあると思うんですが、「和風人」と言えば、洋風、和風があるように外国の人も柔らかく受け入れてくれるんじゃないかと思いますし。 日本人である誇りをもっと大事にしてもらい、これからの時代を担っていってくれる子供たちと、まだまだ引退してもらっては困る人たちが一緒に学びを問える、そういうものを作っていきたいです。
和風人 石川義紀氏の商品一覧
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そのときにその職人さんたちに「お金が先じゃないよ」と。「ヒトモノありき。人があって次にものがあってそれに共鳴しお金がついてくる」ということを初めて職人さんたちから学びました。







