
工房織座をはじめたきっかけ
もともと愛媛県今治市内のタオルメーカーに工場長として勤務していました。
54歳の時に会社を退社し、残りの人生は「こだわりの織物づくりがしたい」
との思いから、2005年に工房織座を設立しました。
タオルメーカーに勤務していた頃は、
高速の革新織機で大量生産、高品質、低コストのものづくりをしていました。
よい時代もありましたが、近年は海外製品に押される現状を目の当たりにし、
従来品からの脱却を図るため、
「コットンマフラー」の開発、製造の中心メンバーとして活動しました。
この商品は大ヒットし、今でも根強い人気がりますが、
当時、高速織機ではどうしてもタオルっぽさが残ってしまうことや、
独創的な織模様や技法を用いることに限界があることがわかり、
職人として日々悩んでいました。
時同じくして取り組んでいたのが手機織機の復元でした。
歴史的な織機の研究、そして復元をしていく過程で、旧式の着尺幅の織機であれば、
現代の高速革新織機ではできない技術の可能性があることを確信しました。
工房織座を設立後は、各織物産地で特徴のある織機をひとつひとつ集め、
廃棄され壊れていた状態の織機を分解し、使える部品を組み合わせ、
カスタマイズすることでオリジナルの着尺一列機(きじゃくいちれつばた)を完成させました。
織るのには時間がかかりますが、マフラーを中心にショールや帽子など
お客様が使って心地よいと思ってもらえるものづくりを続けています。
商品の魅力
着尺一列機からゆっくり織られる織物には多くの魅力があります。
まず、一番の特徴は「柔らかく、心地の良い織物」。
低速の着尺一列機織機を使うことにより、緩いテンションとスピードで、糸にストレスをかけない素材の味を生かした、手織りに近い味わいの織物が作れます。
目の詰まりすぎていない織り方をすることで、空気を含んだ、
軽く柔らかく、肌あたりの良い織物となります。
「耳のない織物」
幅の広い織機で織物を作った際、何列も並べ織た織物を裁断し、ほつれを防止するために耳部分の縫製加工をしますが、工房織座の商品は約40センチの着尺幅から一枚ずつ織り上げる為、耳の縫製加工が必要がありません。
縫製により耳処理をすると、どうしもてその部分が固くなり、ほつれが起こる場合があります。
縫製を施さない織物は、肌ざわりが良く、柔らかい、そして見た目もすっきりした、
手織りに近いような美しさを表現することができます。
「独創的な織物」
昔の機械だからこそ生み出せる織物があります。
約40センチの幅ですが、二重織りの技法を用い、左右で糸の異なる大判ショールを織ることができます。
また、たて糸、よこ糸がそれぞれ絡みあう技法「もじり織り」では、
糸の素材感、柔らかさを残しながらも、非常に丈夫な織物に仕上がります。
それから波模様を形成させた「よろけもじり織り」は、
希少性の高い織り技法で、表面に動きがある美しい織物です。
今後の展望
昭和初期の小さな機械ですが、それらから生み出せる織物にはまだまだ無限大の可能性があります。
これからも新しい織り技法の研究開発を続け、新商品の企画開発を続け、
結果的にお客様に喜んでもらえるものづくりを心掛けていきたいです。
 
オリジナル織機と、工房織座の工場写真。 |
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「こだわりの織物づくりがしたい」という思いから、2005年に工房織座を設立。工房織座オリジナル織機にしかできないマフラーやショールを製作している。 |
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