ファッションデザインの専門学校を卒業した後、アパレル業界で4年ほどデザインの仕事をしていたのですが、デザイナーとしてこれから活動するに当たり、何かしら自分でも技術を持たなければと感じ始めました。 そこでまず染めの技術を習得しようと思い、染色所に弟子入りをしました。そこで、以前テキスタイルの交流会「The Kyoto」でお会いしたことのある代表者の方と一緒に立つあげたのがmizraです。それまでアパレルの仕事も続けながらmizraを手伝っていたのですが、すぐに働いていた大手アパレル企業を退職させてもらい、mizraのデザイン全般を引き受けるようになり、mizraブランドが生まれるに至りました。 苦しい時期が何年もありましたが今ようやく多くの方に認知いただけるようになりました。
魅力については話はじめたらきりがないですね。素材や製法にはこだわりのかぎりを尽くしています。 まず、ジーンズですが、世界的に見ても最もハイクオリティなジーンズを作ることで有名な岡山で作っています。クリスチャン・ディオールをはじめ海外有名ブランドが依頼していますが、実はそこの工場の人に、mizraのジーンズの型は「完璧だ」と言われ購入していただいたほど、型は完全にオリジナルのものです。工場に3台しかない数百万する特注のミシンで作っているため作るのに大変時間がかかります。なのでいつも品薄状態なんですね。 出来上がったジーンズを京都の自社工場にて独自の加工を施しているため、この生地はmizraでしか手に入りません。また、ジーンズに使用している着物地に関しては大正時代に作られたデッドストックの柄を、特注で京都の職人が一枚一枚染め上げています。 またパッチに使用している華織木(かおりぎ)は、樹齢250年以上の銘木から厳選し、西陣織りの職人が手織機で1本1本木目を合わせながら織り上げられたいわば木の布です。1メートル何万円もする大変貴重なもので、ファッションで使うことを許されているのは国内ではmizraだけだと聞いています。国外では一度シャネルが数量限定でこちらの華織木を使用したバッグを100万円以上の価格で販売されていました。
全ての工程を純国産にすることで、日本人の元来持っている強さや美しさを表現したいと思ったんですね。いくら断られても何度でも交渉を重ねたことで、こちらの思いが伝わり、最高の素材、製法にてmizraジーンズを作ることができました。
だから思い入れはとても強くて、取材などでも語り尽くせないんです。mizraのことを話し出したら一晩中でもしゃべってしまいますから。最近になってだんだんと認められ、国内や海外からも大きな発注がくるようになりました。年内にはアメリカ西海岸の高級セレクトショップ十数店舗にmizraが並ぶ予定です。
これまでロンドンでデビューし、パリやアメリカなどでも引き合いをいただいてきました。日本人の心の奥に秘めるものは、世界から見ても大変希少で強く価値のあるものだと思います。 余談ですが、私実は漢字が大好きで辞書を読むのが好きなんです。そこで漢字でブランドを表そうということになり、“鬟”という漢字に感じるものがあったのです。そこで読み方を調べてみると“みずら”といって聖徳太子に代表される髪型を意味することが分かったんですね。mizraというブランド名が我々の感性から生まれたように、今後も日本人が感じる感性を現代の洋服に取り入れる「和的洋装」をコンセプトに展開していきたいと思っています。 (インタビュー:櫻井慎也)
ジーンズデザイナー 岩岸仁行氏の商品一覧
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