プロダクトデザインをはじめられた経緯を教えて下さい。
現在も建築設計の仕事をしています。建築士主動(ブランド)ではなく、住む人にとってどうあるべきかを自問自答する中、
答えを探し模索する20代半ば「デザイン」という領域にきっと答えがあるのだろうと桑沢デザイン研究所に入りました。
そこでもがき、手にした答えは「答えが無い」つまり「自分の中に答えがある」という気づきと「素のまま、あるがまま」という魅力の引き出し方でした。
物事は段階を経てできるという建築の発想と、デザインの角度を「本質」から生み出すことを、某デザイン専門学校で講師として生徒に伝えて行きましたが、生徒にはABCの評価が大事に感じられるようで。
安全な「お行儀のいいデザイン」しか出てこないのですね。
コンペにチャレンジしよう!まずは動くんだ!と、生徒と同じ立場で各自プロダクト作品を出したら、それが審査を通過したのです。
伝統工芸をプロデュースする魅力と思いとは?
そのプロダクト作品をきっかけに、伝統産業をデザイン力で底上げをする事業に推薦受けました。
それが係りの始まりです。伝統産業の方は見える「デザイン」が売れる商品になると思っていらっしゃる方もその時は多かったです。
しかし、安易に「見栄えするデザイン」を取り入れてしまい身動きが取れなくなる産地も見受けました。
伝統産業は老舗ともいえます。衰退にも理由があるでしょうが、何百年も残ってきた事実にも意味があるはずです。
私は、その純粋な「素のまま」を表現することがデザインだと産地の方と随分話し合ってきました。
現地に足を運び、生粋の作り手さんの話を聞くと素晴らしいキーワードが山の様にでてきます。
伝統とは 知らないと古く実生活に縁遠いイメージすら湧きますが、実はとても自然と調和され何百年という重ねた英知で作られています。
都心の生活にマッチする「素」をデザインすることができればと思い、作り手さんと産地生産可能な流れをできるだけつくることを「デザイン」だと思い進めています。

最後に今後の展望をお聞かせ下さい。
作り手さんが笑顔になると、街の人も協力的になります。
生み出されるなら愛される「商品」 続く「商品」であって欲しいと願っています。
また、新しい産地さんからの依頼もあります。
デザインはデザイナー主動だけではなく、伝統継承しているご本人もできるということを見つけていける・感じてもらえる動きを続けて発信します。 |