|
細井さんは一点ずつ手描きで、非常にあったかみのある子供服を作られていますよね。この仕事をされるようになった経緯を教えて下さい。 子供の頃から、「世界一のおばあちゃん子」だったんですが、その祖母(数年前に他界)が「俳画」というものをやっており、小さい頃から顔料や絵の道具を目にする機会が多かったんです。そのせいか、今思うと無意識のうちに絵を描く事は好きな方でした。それで、祖母が亡くなった1年くらい後に、祖母が生前大切していた俳画関係の書籍などをもらってきて、独学ですが「絵」の勉強をしました。 祖母が大切にしていた書籍は、私が毎日のように見ていたものですから今となってはもうボロボロです。現在は、この仕事をしだしてから知り合った書道家と一緒に作品をつくっていっていますのでデザインも豊富になりましたが、手描きTシャツを始めた頃は教科書が祖母の本だけに「なすび」とか「わらび」とか少し年配向けの柄が多かった思い出があります。
どうして和の子供服を扱おうと思われたのでしょうか? もちろん祖母の本の影響が1番ですが、特に「和」と決めていたわけではなかったんです。ただ、訳のわからない「英語」なんかが描いてあるTシャツなどには少し飽き飽きしていました。どこにでもあるプリントTシャツにはなんの「価値」も感じられなくなっていて、自分が「価値」を感じられる物を提供したいと思ったのが始まりです。 根本的に「自分自身の価値観」でしか商品をみていないので、「売れる物」とか「流行っている物」という感覚は一切ありません。自分が良いと思えるもの、自分がその価値を認識できる物がたまたま「和」っぽい物だっただけです。ですので、アイテムの中には特に「和」ではない物もあるんですよ。 商品を通じたメッセージはありますか? 人に1人ずつ個性があるように、服も1枚ずつ個性があってよいのではないかと思います。よく、お子さんが私達の手描きTシャツを着て、「保育園嫌いがなくなった」とか「定期健診でお母さん同士がお話するきっかけになった」などの報告をいただいたりします。個性の強い服なので、それをきっかけに話しかけられたりするようです。ご両親を含め楽しく着ていただければ嬉しく思います。
楽しい毎日を送れるきっかけになれば嬉しいですよね。それでは細井さんの今後の展望を教えて下さい。 現在は「手描きTシャツ」のみで、たまに「手描きバック」なんかをしていますが、今後は「デニム」「陶器」などにも展開していきたいと考えています。 工房の方が今は「京都」「大津」「姫路」の三ヶ所にあるのですが、贅沢を言えば「井戸水」がある場所で、なおかつ「空気」のきれいな場所を本拠地としたいですね。微妙なことなんですが「水」と「空気」にはこだわっていきたいと思っています。それと、これからは染色をもっと勉強したいですね。「染め」と「手描き」の融合は1つの目標です。
|











